包括的な新しい研究では、世界中の約25万人からのデータを分析し、従来の危険因子を考慮した場合でも、HPVに感染した人は心血管疾患を発症する可能性が高いことが判明した。この発見は、慢性炎症の役割と、HPVワクチン接種が癌を予防するだけでなく心臓の保護に役立つかどうかについて興味深い疑問を引き起こします。
HPV: 新たな心血管リスク?
米国心臓病学会年次科学セッション (ACC.25) で発表された新しい研究によると、さまざまながんを引き起こすことで最もよく知られているヒトパピローマウイルス (HPV) は、心臓病や冠状動脈疾患のリスクを大幅に高める可能性もあります。
HPVと心臓病との関連性が注目されるようになったのはつい最近であるが、この関連性を研究するために世界中の複数の情報源(合計約25万人の患者)からのデータが統合されたのはこれが初めてである。この発見は、HPVが心血管疾患に関与している可能性があることを示す証拠を追加し、科学者、臨床医、公衆衛生の専門家によるさらなる研究の必要性を強調しています。
炎症とワクチン接種を示す手がかり
「私たちの研究は、HPVと心血管疾患との間に関連性があることを示しています」と、コネチカット州ファーミントンにあるコネチカット大学医学部の内科レジデントであり、この研究の筆頭著者であるスティーブン・アキンフェンワ医師は述べた。 「生物学的メカニズムはまだ解明されていませんが、慢性炎症に関連しているという仮説が立てられています。最終的には、ワクチン接種によるHPVの減少が心血管リスクを軽減できるかどうかを確認したいと考えています。」
HPV は、濃厚接触によって広がる一般的なウイルス感染症です。性器いぼや、性器、肛門、喉のがんを引き起こす可能性があります。米国疾病管理予防センターは、感染に関連するがんを予防するために、すべての子供と青少年がHPVワクチンを受けることを推奨しています。しかし、米国の成人の多くは、2006年にワクチンが利用可能になった時点でワクチン接種が推奨される年齢を過ぎていたため、まだワクチン接種を受けていない。
世界規模のデータが隠れた危険を明らかにする
メタ分析では、研究者らは2011年から2024年の間に実施され、3年から17年の追跡期間にわたるHPV状態と心血管転帰に関するデータを含む7件の研究を特定した。ほとんどは後ろ向きかつ縦断的なコホート研究でした。 3人は米国人、2人は韓国人、1人はブラジル人、1人はオーストラリア人だった。
研究者らは、プールされた研究コホートからHPVと心血管疾患、冠動脈疾患(心臓の動脈にプラークが蓄積し、心臓への血流が減少する状態)および高血圧との関係に関するデータを抽出するために、さまざまな統計的手法を使用した。一部の分析では、喫煙、糖尿病、その他の心臓病の既知の危険因子などの潜在的な交絡変数も調整されています。
分析によりリスクの増加が確認
全体として、この研究結果は、HPV 陽性患者は HPV 陰性患者と比較して心血管疾患を発症する可能性が 40% 高く、冠動脈疾患のリスクが 2 倍であることを示しました。社会人口統計学的要因、病歴、ライフスタイル、心臓病の家族歴、降圧薬の使用などの交絡変数を調整した後でも、HPVと心臓病の関係は持続しており、HPV陽性患者はHPV感染していない患者に比べて心血管疾患のリスクが33%高かった。高血圧との統計的に有意な関連性は見つかりませんでした。
この調査結果に基づいて、臨床医は、心臓病の他の既知の危険因子を持つ患者に対する推奨事項に沿って、HPV検査で陽性となった人々に対してより緊密な心臓モニタリングを検討する可能性があるとアキンフェンワ医師は述べた。
隠れたリスク要因を発見する
「私たちは常に喫煙や高血圧などの心血管の危険因子について話しますが、心血管疾患の約 20% はこれらの従来の危険因子では説明できないことを私たちは知っています。」
同氏は、HPV感染と心臓病との関連の強さとメカニズム、そして心血管疾患の予防におけるHPVワクチン接種の潜在的な役割をより良く理解するにはさらなる研究が必要であると述べた。
/ScitechDaily から編集