スペースXの新規株式公開目論見書からの抜粋によると、同社の創設者イーロン・マスク氏は、「イーロン・マスク氏を解雇できるのはイーロン・マスク氏だけだ」という極めて稀な権力構造を自ら設計したという。この条件は、億万長者が、間もなく上場企業となるロケットとAI製造の巨人に対する絶対的な支配力をどのように強化するかを強調している。

文書によると、スペースXは最大1兆7500億米ドルのIPO後にデュアルクラス株式構造を採用する計画だという。一般に発行されたクラスA株には1株当たり1票が付与されるが、マスク氏と少数の内部関係者が保有するクラスB株には1株当たり10票が付与される。
人員配置に関しては、マスク氏は「三つの帽子をかぶる」ことになる。つまり、CEO、最高技術責任者を引き続き務め、同時に9人からなる取締役会の会長も務めることになる。
通常、上場企業は過半数の独立取締役を擁するが、スペースXは「被支配会社」の適用除外を申請した。つまり、同社の取締役会は過半数の独立取締役を擁する必要がなく、独立した報酬委員会や指名委員会を設置する必要もない。
電力を解放するための「超高価格インセンティブ」
人事の任命と解任を管理することに加えて、マスク氏の給与は星間の目標にもリンクされている。取締役会は非常に野心的な業績株式計画を承認した。同社の市場価値が現在の約1兆1000億米ドルから最大7兆5000億米ドルに上昇し、火星に人口100万人のコロニーを設立し、宇宙データセンターを建設するという目標を達成すれば、巨額の株式賞を受け取ることになる。
アナリストらは、この構造は一般株主の影響力を制限しているものの、テスラがガバナンスに関して遭遇した多くの論争を回避しようとして、スペースXに長期的な壮大なビジョンを追求するための最大の柔軟性を提供していると指摘した。